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はっか。

Author:はっか。
青森在住の人。
ほんとは毎日ショートストーリーを書けたらいんだけど、そんな力量もなく、日記やネタに逃げてたりする人だよ。

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小説ブログ ショートショート

あ、猫好き。
20代半ばの人。

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更新するとかしないとか。
なんか、またこういう作業もしたくなってきた感じなので、再開しよっかなーとか。しないとか。

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テーマ:雑記 - ジャンル:日記

日々雑多 | 23:56:14 | Trackback(0) | Comments(1)
最近のはなし。
最近、仕事がウェブデザインの仕事ということで、お話がまったく浮かびません。

どうやら、脳みそを理系敵思考に切り替えたら、文系的思考が休止してしまったようで、映像は思いつくのですが、文章がまったく出てきません。

ので、しばらくかなりの不定期内容になると思います。ああ、ユーチューブでも見ていってください。



日々雑多 | 01:07:37 | Trackback(0) | Comments(0)
ショートーストーリー  死刑停止システム
 だいたいのことを曖昧にしたいN国ならではの法律が施行された。
 それは、死刑が確定された人の死刑を止めるために、死刑を停止させたい人達の団体の寄付金で維持費が出ている内は、死刑が執行されないというシステムだ。
 一度死刑確定が行われるので、国の刑の執行もまっとう出来る上、その段階で税金が使われることが無くなるので国民も安心、犯罪人の人権を守ろうという人達にそのまま犯罪人の人権を譲渡する形になるので、彼らの主張も守られたものだった。彼らが維持費を出し続ければ死刑は執行されないのだから。
 法務大臣は次々と執行に関する手続きの判を押した。
「少し多すぎないですか?」
 秘書が尋ねる。
「今までが少なすぎたんだよ。だいたい、執行が進むのは私のせいじゃなくなるからね。大分、楽に判が押せるよ。」
 そのリストは100人になった。
「100人の執行ですよ。」
「大丈夫だろう。死刑廃止を訴えていた主要な方々には大物議員さんも多数いらっしゃるからね。維持費なんて格安の価格で設定されているのだし。たしか、これくらいの数でも年間3億くらいだろう。募金だなんだを行えばすぐにまかなえるだろう、このくらいの額は。」
 その年、100人の死刑執行が行われた。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

ショートストーリー | 09:04:47 | Trackback(0) | Comments(2)
ショートストーリー  キレイの墓穴
 もう少し痩せたら可愛いのにって彼に言われたから、ほんとに困ってしまったの。
 体のあちこちが軽くやばいから、普通の女の子の服を着れるようになりたいの。
 もっとおしゃれしてキレイになりたいのよ。
 でもケーキは食べたいし。
 彼に褒められるとやっぱり嬉しくて頑張るの。
 一緒にいてくれるから、私の心の栄養になるの。
 スパイスが効いていて、飽きずに頑張れるの。
 でもチョコレートは食べたいし。
 パフェも捨てがたいし。
 それでも彼の励ます言葉が美味しいから、やっぱり我慢できちゃうの。
 彼の喜んだ笑顔をみたら、嫌なことも忘れちゃう。
 だって彼ったら、食べちゃいたいくらい可愛いんだもの。
 でもポテトチップスは食べたいし。
 アイスクリームが食べたいし。
 クレープも食べたいし。
 頑張らないといけないの。
 彼の体つきも魅力的なの。
 ほんとに美味しそうなお尻をしてるのよ。
 甘いものって魅力的なの。
 まるで彼みたいなんだもの。
 ほんとうにもう食べたいの。
 カレーライスが食べたいの。
 スパゲティが食べたいの。
 ピザが食べたいの。
 キムチ鍋が食べたいの。
 ラーメンが食べたいの。
 しょうが焼きが食べたいの。
 酢豚が食べたいの。
 ステーキが食べたいの。
 焼肉が食べたいの。
 お肉が食べたいの。
 食べたいの。
 食べたい。
 食べたい。
 食べたい。
 食べたい。

 食べたい。


 ほんと、彼って美味しいの。

テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

ショートストーリー | 23:14:13 | Trackback(0) | Comments(0)
ショートストーリー  超が付かない能力者。
 目に見えない力で物体を動かす能力があるとはいえ、彼の持つ能力はかなり限定されているものだった。
 1m先のものを5cm動かすだけしか出来ない。しかも、絶対に1mの距離でなければならないし、5cm未満でもなく5cm以上でもなく5cmだけしか動かせない。
 その上、1日一回しか使えない。
 1回が絶対だった。
 2度も3度も使えない。
 その彼はさるぐつわをされて手足を縛られ拘束されていた。
 身動きを封じられ特殊施設に監禁されているのだ。
 施設周辺から内部まで私設の兵隊によって防備が固められている。
 緊張感があたり一面に漂っている。
 彼は重大な秘密を知ってしまい、一時的に拿捕されているのだ。
 そして、その秘密を狙う超能力者から守る為にここに監禁されていた。
 対超能力者用の特殊兵装をしているとはいえ、兵士達はだれもが恐れていた。
 レベルの高い超能力者が来たら、こんな武器はおもちゃ程度に扱われてしまうからだ。
 能力者が嫌がる重質量弾。能力障壁さえ重い質量で貫く、ということで製造されたものの高位の能力者はそんなことを無視する。
 そういう人間が来た時点でもう太刀打ち出来ないのだ。
 そうして、その恐怖はやってきた。
 分厚い鋼鉄の扉が、ゴムのように曲げられてゆく。
 目の前にあったであろう壁を無視するようにして能力者は悠然を歩を進める。
「撃て!撃てぇ!」
 兵士達が一斉に銃を乱射する。
 たが、雨のような銃弾も襲撃してきた能力者の前で失速する。
 能力者の力によって空間から進むことが出来ない銃弾達が黒い壁のようにして、その場所に静止している。
 ナパーム弾も破裂することなく、ゴトッと不発して地面に落ちる。
 能力者が掃うように手を振った。
 それだけで、兵士達は壁にめり込み絶命した。
 簡単に道は作られた。
 壁という壁が壊され、能力者の前にまっすぐの道が出来る。
 そのまま、なにごともなかったかのように進んでゆく。
 そんな能力者が始めて周囲の状態に反応した。
 特異な音を発しながら何かが近づいてくる。
 コブシ大の大きさの球体。銀色のマシン。
 ビーと呼ばれた対能力者用の殺人マシンの群れだ。
 一つ一つが頑丈な上、重く、レーザーを放つ。
 絶大な力を持つ能力者とはいえ、さすがに眉をしかめた。
 手をかざし、高速で飛来する無数のビー達の前に能力障壁を放つ。
 見えない障壁にガン!ガン!ガン!とぶつかる殺人マシン達。
 それでもゆっくりとめり込むようにして、能力者の方へと向かってゆく。
 マシンの銃口が開き、赤く閃光する。
 頬を掠めたレーザーをかわし、能力者が地面に散らばっていた弾丸を雨のようにマシン達に降らせた。
 黒い雨がマシン達を覆う。
 それでも何台かは勢いを止めずに突き進んでくる。
 能力者が歯を食いしばる。
 目は血走り、全身の血管が浮き出る。
 咆哮とともに、左右の壁がマシン達を押し潰す。
 鋼鉄とコンクリートの分厚かった壁が押しつぶされ、紙のように薄くなってゆく。
 さすがに原型を留めることが出来なくなったマシン達はその機能を停止させていた。
 服に付いた土ぼこりを払い、能力者はまた牢へと進んでゆく。
 もう邪魔するものはいなかった。
 監禁されていた彼の元まで辿り着く。
 能力者には会話は必要なかった。
 その力で直接、彼の頭から情報を抜き取ればいいのだ。
 彼の頭に手を置く。
 重要な情報を探っていた。
 そしてこれが罠だと気づいた。
 拘束されたまま、彼のずらすだけの能力が、能力者へと向けられた。
 能力者は能力障壁を展開する。
 その障壁はすべてを遮断する。
 だが能力者はそのまま倒れこみ動かなくなった。
 すでに息はなかった。
 彼の能力、5cmだけずらす能力によって、能力者の脳の半分が根こそぎずらされたのだ。
 脳を破壊され能力者は死亡していた。
 全ては異常な力を持つ、能力者を葬るための罠。
 彼の能力は1回が絶対だった。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

ショートストーリー | 22:30:49 | Trackback(0) | Comments(0)
ショートストーリー  氷山都市
 平均気温が氷点下に覆われた星。
 分厚い雲が太陽を遮光する。常に雪が降り続ける冬の世界。
 その星に住む者は、自らが作り上げた巨大な氷山の中に居住空間を作り、海洋に浮かぶ都市にした。
 海流に流されながら、星の海を周回する氷山都市は数十もの数。
 永久凍土の大地の上では寒さに強い針葉樹しか育たず、食料を求めるには海の中にしかなかった。
 海中は温度が若干プラスになっており、この星は海洋生物の楽園になっていた。
 氷山の海上に浮かぶ表面は総体積の9分の1くらいであり、海中に沈みこんだ部分は巨大な量であり、その部分を蟻の巣のように掘削して人間は生活していた。
 氷山都市間での交流もあった。船で物流の交換などを行っていた。
 大型漁船が氷山都市へ帰港した。
 大量の鯨を捕まえてきたようだ。
「おお、大量じゃないか。」
 港で出迎えた男が漁師に言った。
「まあな。ここで生活出来るのも、こいつらのおかげだからな。」
「鯨は捨てるところがない。身も食えるし、鯨油も大量に取れるからな。鯨油を使わなくちゃならないなんてのも、まったくもって前時代的だがね。」
「まったくな。鯨の保護だと頭の悪い奴らが海で馬鹿やって鯨漁を邪魔していた時代が懐かしいよ。」
 二人は笑いあった。
「・・・随分、年を取ってしまった。」
「・・・そうだな。この雲は、いつになったら晴れるのだろうか。」
 そういって彼らは空を見上げた。
 大地の全てが放射能で汚染され、核爆発で巻き起こった粉塵で世界が塵の空で覆われてしまった、核の冬。
 もう次世代の子供達は、この星が緑の惑星だったことなんて知らず、その話すら物語だと口にするようになった。

 雪が降る。
 遠くの先は霞のようになって見えなくなる。
 灰色の雪。
 水平線の見えない世界。
 アザラシの皮で作ったコートが凍てつく海風から、皮膚の温かさを守ってくれる。
「なにしてるの?」
 彼女が尋ねる。
 彼は楔に引っ掛けられた縄をひっぱり、海中から黒い塊を引き上げていた。
「見てくれよ。海草の栽培に成功したよ。」
 満面の笑みでそう告げた。
 ボール状の苗床に絡むようにして、ワカメや昆布が生息していた。長い髪の生首のようだ。
「うわ、すごいけど気持ち悪いね。」
「そこはすごいだけでいいだろ。」
 彼は空を見上げた。
 相変わらずの灰色の空。
「今は植物が足りないからね。たぶん、植物を増やしていけば、ほんの少しだけかも知れないけど、この星は回復すると思うんだ。」
 海草玉から何本か抜き取り、また海中に戻す。
「まあ、まだ実験だから、とりあえず食べられるか確認しよう。」
「これ、気持ち悪いね。」
「美味しいと思うんだけどなー。」
 彼は小首をかしげた。
「・・・見て欲しいものあるんだけど、ちょっといい。」
「なに?」
「こっち。」
 そう言って彼は、彼女を表層の洞窟に連れて行った。
 断熱材で壁は遮断され、氷で出来ているとはいえかなり暖かい。
 反射板に照らされて、室内が明るくなる。
「これさ。」
 そこにあったのは、希少になった土と、その上に根を下ろす花。
「キレイ。」
 彼女はとても喜んだ。
「食べられないものだから、作ると怒られるんだけど、・・・喜ぶかなと思って。」
 そう言って彼は照れて笑った。
 彼女は彼がいるのなら、こんな世界でもいいと思った。
 めぐる星の意味さえ知らずに、いつかこの目は閉じられる。
 世界が晴れる日を待つよりも、どうか彼との時間が長いことを願った。


テーマ:ショート・ストーリー - ジャンル:小説・文学

ショートストーリー | 20:18:21 | Trackback(0) | Comments(0)
ショートストーリー  デュラハン
 剣で流されるのは血。
 魔法で奪われるのは命。
 剣と魔法の物語は、往々にして戦と謀略の物語。
 国同士の争いは、戦場へ山のような死体を生み出してゆく。
 何万もの腐敗した屍の海から、稀に世の理から外れた魔物が産まれることがある。
 死にそこないの化け物、アンデット。
 その中で、もっとも邪悪だと呼ばれるのがデュラハン。
 馬にまたがり、自分の首を脇に抱えた不死の怪物は、その首なしの体から「死を招く者」として戦場での恐怖の象徴だった。

 シドは戦場のごたごたで、相棒とはぐれてしまった。
 戦はほぼ終結を向かえ勝者が散り散りに逃げる敗残兵を討ち取っている状態。
 勝ち戦に絡むことが出来、傭兵としてこの戦場にはもう用は無かった。
 後は本陣の野営地へと帰路に着くだけで終わるはずだった。
 周囲は小雨が降り始め、体積の増した黒い雲が地面にやたら近づいていた。
 正規兵との混合部隊に混じり集団で細い街道を進む中、奴は現れた。
 道を塞ぐようにして部隊の前に騎士がいた。
 首なしの黒衣の騎士。
 死なずのアンデット。
「デュラハンだー!!」
 先頭から悲鳴が上がる。
 デュラハンは鞘から剣を引き抜く。身の丈ほどあるような馬鹿でかい剣。稲光が付近の山に落ち、むき出しの剣に一瞬の光を映す。
「落ち着け、たった一騎だ!全体、抜刀!迎撃準備!」
 兵達は急いで鞘に閉まった剣を抜く。槍兵達が馬の突進を防ごうと、切っ先の壁を作る。
 黒馬が咆哮を上げる。
 デュラハンが駆け出す。重装の鎧と大剣を無視したかのような突風のごとき突進。
 槍の壁を跳び越し、馬は槍兵達を踏み潰す。そのまま、抜き身の大剣を振り回し、ことごとく蹂躙する。
 草でも刈るように兵をなぎ払い、死体が増えてゆく。
 たった一度。
 陣を横断されただけで、半数近くが死亡した。
 槍や剣がデュラハンの鎧の隙間から突き刺さっているが、それにまったく反応していない。踵を返して、もう一度、陣へ突入しようとデュラハンは体制を整える。
 まさに、化け物だった。
 逃げる場所は皆無だった。
 馬の足には、走ったところで逃げ切れるわけも無く戦うしか生き残る道はない。
 突進しようとするデュラハンの機先を制するようにして、シドが陣を飛び出す。
 抜き身の刀身がすばやくデュラハンの頭部を貫こうとする。
 馬が転進して剣先の軌道をそらす。
 すぐさま、デュラハンの剣がシドへと迫る。
 圧力の重い一撃。シドは風に揺れる柳のようにして振り落とされた剣をいなす。
 まともに剣で防げば、剣ごとへし折られてしまうだろう。
 一撃一撃が重い斬撃で、凌ぐだけで骨が折れる。反撃などする余裕もない。
 ギンッ!ギンッ!と鈍い音を立てながら、剣同士が鎬を削る。
 馬鹿でかい剣は、盾のようにデュラハンの体へと続く剣の軌道を阻む。その上、馬の足がいつでも蹴り殺そうと待ち構えている。
 馬上の兵と歩兵とではあまりにも歩兵には分が悪い。
 だが、距離をとるにも離れようとした間を狙われて、巨剣に切り伏せられてしまう。
 馬も足を止めざるを得ない、乱戦の超近距離が活路を見出す唯一の策だった。
 巨剣が真一文字に振り落とされる。
 皮一枚でそれをかわして、シドの剣が抱えられていたデュラハンの頭部を貫いた。
 だが、手ごたえがない。固い、骨を貫いただけの感触。
 これも有効打ではなかった。
 その隙をつかれ、巨剣が横一文字に振られシドの胴を狙った。
 剣で凶刃が胴に届く前に防いだものの、圧力で体ごと吹き飛ばされる。手にしていた剣が粉々に砕けた。
 転びながらもすぐさま、死に絶えた兵から剣を奪い、体制を整える。
 だが、活路が何一つ見出せない。今の衝撃で、左腕が握った感触がない。斬撃でおかしくなっていた。
 不死の化け物。
 どうあがいても倒せないのか?
 付近の兵達は蜘蛛の子を散らしたかのようにわれ先にと逃げ出している。
 雨が降り出した。
 稲光がまたどこかに何度か落ちた。
 デュラハンはシドに狙いを定め、にじり寄るように間合いをつめてくる。
 どうする?
 生き残る術を必死に模索する。
 なす術無しか?
 唐突に、シドは噂話を思い出した。
 大して重要ではないとどこかで思いながらも、なんとなく引っかかっていた話。
 デュラハンとは首無しの女の妖精だったという話。
 馬が咆哮をあげる。
 デュラハンが剣を天へかざす。
 馬のわき腹に、かさぶたのようなものが見えた。
 古い傷なのか?
 デュラハンがシドへと突進してきた。
 デュラハンが女だったとしたら?
 曖昧な疑問符、だが。
 シドの剣がゴルフスイングのようにして大地を叩いた。
 石飛礫が突進するデュラハンへと無数に飛ぶ。眉間にいくつかが当たり、馬が体をぶらす。
 シドへとめがけていたデュラハンの剣の切っ先がぶれる。
 かわし間際、シドの剣が馬のわき腹、ちょうどかさぶたのあたりを貫いた。
 刺さった剣の根元から、潰したザクロのような黒いものが、ドロっと地面に噴出す。
 デュラハンの鎧にヒビが入った。
 馬がたまらず悲痛な咆哮をあげた。
 むき出しの歯。
 シドが無意識に気に留めていた疑問。犬歯のない歯。
 馬は雌馬だった。
 畳み掛けるようにシドの剣がデュラハンに向けられる。
 防ごうとするデュラハンの剣をいなし、馬の首に白刃が落とされた。
 ゴトリと首は雨でぬるんだ地面に落ちた。
 ゴボゴボと落ちた首から黒いものがあふれ出す。
 何度か足をバタつかせながら、デュラハンの鎧が雨に濡れた砂の像のようにくずれ落ちていった。
 シドはその場にへたりこんだ。
 呼吸が荒く、ただ天を仰いだ。
 雨はいつの間にか止んでいた。
 なんとか生き延びることが出来た。
 空から見慣れたシルエットが迫ってきた。
 翼竜の影が地面に映り、それは徐々に大きくなっていく。
「遅いぞ、相棒。」
 フェザーと呼ばれる翼竜。彼が唯一信頼をよせる友。
「もう倒しちまったぜ。」
 ため息を漏らしながら彼はフェザーに呟いた。
 翼竜は申し訳なさそうに頭を垂れた。
「行こうか。今回はいらない仕事までしちまったよ。」
 そう言って彼はフェザーの背に乗る。
 大きく翼を広げて翼竜は羽ばたいた。
 眼下にあるデュラハンの亡骸を見て、シドは複雑な思いだった。
 あれは、騎手に死なれた馬の遺恨が生み出した怪物。
 相棒を奪われた悲しみが生み出した呪い。
 戦場は誰かの命を奪い、成り立つ場所。
 心許せる友の亡骸を見ないように。願うなら、自分達があの姿にはならないように。
 戦士の幸福が勝者としての喜びならば、これから先、ああいう躯を作り続けなければならないのだろうか?
 大空はただ広く自由に風が舞っていた。
 今はただ、相棒と飛べる空があることを幸福に思おう。
 シドはフェザーの背に乗りながら、一人そう思った。


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